大宮図書館 歌人・大西民子生誕100周年記念展示「ひゃくひゃくー埼玉県歌人会が選ぶ、大西民子百首選ー」

このページは、2024年7月7日(日曜)まで大宮図書館で開催中の
大西民子生誕100周年記念展示「ひゃくひゃく―埼玉県歌人会が選ぶ、大西民子百首選―」の記録です。

日時 2024年5月1日(水曜)から2024年7月7日(日曜)まで
場所 大宮図書館 3階 文学資料コーナー・2階 みんなのラウンジ
内容 生誕100年を記念し、埼玉県歌人会の皆さまに「あなたが選ぶ大西民子の好きな歌」のアンケートを行い、民子の歌百首を選んでいただきました。今を活躍する歌人たちは、民子の歌にどんな想いをいだいたのか。民子の自筆資料とともに、埼玉県歌人会が選んだ「大西民子百首選」をご紹介します。
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種別 内 容
1 自筆原稿 「酔へば寂しがりやになる夫なりき偽名してかけ来し電話切れど危ふし」
2 自筆短冊 「かたはらにおくまぼろしの椅子ひとつあくがれて待つ夜もなしいまは」
3 自筆原稿 「いつまでも明けおく窓に雨匂ふもしや帰るかと思ふも寂し」
4 自筆短冊 「完きは一つとてなき阿羅漢のわらわらと起ちあがる夜なきや」
5 自筆短冊 「街にて不意に逢はむ日などを恋ふのみに白木蓮の花もをはりぬ」
6 自筆原稿 「手に重き埴輪の馬の耳ひとつ片耳の馬はいづくにをらむ」
7 自筆原稿 「石臼のずれてかさなりゐし不安よみがへりつつ遠きふるさと」
8 自筆短冊 「枕木に雪積もりゐし夜の別れ呼び戻されむことを願ひき」
9 自筆原稿 「てのひらをくぼめて待てば青空の見えぬ傷より花こぼれ来る」
10 自筆色紙 「葱の花しろじろと風にゆれあへりもどるほかなき道となりつつ」
11 自筆色紙 「日のくれに帰れる犬の身顫ひて遠き沙漠の砂撒きちらす」
12 自筆色紙 「降りやまぬ雨の奥よりよみがへり拳手の礼などなすにあらずや」
13 自筆色紙 「ひとすぢの光の縄のわれを巻きまたゆるやかにもどりてゆけり」
14 自筆短冊 「桃の木は葉をけむらせて雨のなかともに見し日ハ花溢れゐき」
15 自筆原稿 「報復は神がし給ふと決めをれど日に幾たびも手をわが洗ふ」
16 自筆原稿 「円柱は何れも太く妹をしばしばわれの視野から奪ふ」
17 自筆色紙 「あをみさすゆきのあけぼのきぬぎぬのあはれといふも知らでをはらむ」
18 自筆短冊 「道のべの紫苑の花も過ぎむとしたれの決めたる高さに揃ふ」
19 自筆原稿 「一本の木となりてあれゆさぶりて過ぎにしものを風と呼ぶべく」
20 写真 浄国寺にある民子歌碑
21 自筆原稿 「まろまろと昇る月見て戻り来ぬ狂ふことなく生くるも悲劇」
22 書籍 『わりなき恋』岸恵子 著 2013年刊行・初版 幻冬舎

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