さいたま市ゆかりの児童文学者
さいたま市図書館では、児童文学の発展に大きな足跡を残した石井桃子氏と瀬田貞二氏を中心に、さいたま市にゆかりのある児童文学者の著作や関連資料の収集、展示、紹介を行っています。
過去の講演会、展示会について
石井桃子
写真提供:(公財)東京子ども図書館
|
石井桃子(1907~2008)は、現在の日本児童文学の礎を築いたひとりで、子どもたちに良い文学、良い文化を届けるため、作家、編集者、翻訳家として幅広く活躍しました。『ノンちゃん雲に乗る』などの創作、「岩波少年文庫」や「岩波の子どもの本」シリーズなどの編集にたずさわる一方、自宅に家庭文庫「かつら文庫」を開き、子どもたちが本に親しめる場所をつくりました。さらに、瀬田貞二、渡辺茂男らとともに評論集『子どもと文学』や共訳『児童文学論』を出版し、日本児童文学界の発展にも貢献しました。石井桃子の翻訳により、『クマのプーさん』をはじめとして、「うさこちゃん」シリーズや「ピーターラビット」シリーズなど、200冊近くの子どもの本が、今でも読み継がれています。
瀬田貞二
転載:『旅の仲間』より
|
瀬田貞二(1916~1979)は、戦後日本の児童文学界を牽引したひとりで、『児童百科事典』(平凡社)の企画、編集長として活躍しました。また、『きょうはなんのひ?』などの創作、『かさじぞう』や『ねずみじょうど』などの昔話の再話、『3びきのやぎのがらがらどん』、『おだんごぱん』をはじめとした外国絵本や、「ナルニア国ものがたり」、『指輪物語』に代表される児童文学の翻訳など、子どもの本の出版に心血を注ぎました。ほかに、浦和の自宅に家庭文庫「瀬田文庫」を開き、子ども読書活動にも熱心に取り組みました。さらに、石井桃子、渡辺茂男らとともに評論集『子どもと文学』や共訳『児童文学論』を出版しました。瀬田貞二の没後に出版された評論集『落穂ひろい』『絵本論-瀬田貞二子どもの本評論集-』『児童文学論-瀬田貞二子どもの本評論集-』は、子どもの本にたずさわる多くの人たちのみちしるべとなっています。
さいたま市ゆかりの児童文学者
さいたま市図書館で所蔵しているさいたま市ゆかりの児童文学者の著作や関連資料が表示されます。