ビブリオバトル 2024はぴの陣 開催記録
令和6年8月2日(金曜)「ビブリオバトル 2024はぴの陣」を中央図書館で開催しました。
毎年好評のビブリオバトル。今回はバトラーが申込開始早々、定員に達しました!
当日も、定員を大幅に超える観戦者の皆様が集まり、中学生の熱いスピーチに聞き入る盛況ぶりでした。
まずは、中央図書館長から応援のメッセージが贈られ、いよいよバトル開始です!
①『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。』 青柳碧人 作 双葉社
この本は皆さんの知っているグリム童話の赤ずきんとは、一味違うミステリー小説です。
ある日、赤ずきんはシンデレラに出会います。そこに突如、魔女が出てきて魔法をかけられ、舞踏会に行くことになります。魔女の作った馬車で向かう最中、なんと事件が起こって、二人は男をひき殺してしまうんです。
二人は一体犯人なんでしょうか。それとも、別に真犯人がいる?なんていう可能性も出てくるのです。
この本は連続短編でとても読みやすく、ドキドキハラハラで、こういうトリックだったのか、ここに注目するのかと推理しながら読めます。
4章では、正義とは何なのか、善意と悪意の境目とは一体どこにあるのか、そんな日常で考えられないようなことも考えさせられます。
皆さんもぜひ赤ずきんと一緒に考えてみてください。
②『Another』 綾辻行人 作 角川書店
皆さんは、人の死について考えたことがありますか。
この本は夜見山北中学の三年三組の話です。このクラスにはミサキという人がいて、ある年、死んでしまいました。
この本はここで終わらないのです。その死をきっかけに、次々に人が死んでいくという悲劇が起きるのです。
その後、榊原恒一がこのクラスに転校してきます。20年以上前のこの悲劇の話を、榊原はまだ聞いておらず、人を<いないもの>として扱うという対策を守らなかったため、悲劇がまた次々と起きてしまうのです。
どうにか止めようと、榊原はクラスの見崎鳴と二人で助け合って、乗り越えようとしていきます。
この本はとても読みやすく、一度世界に入ってしまうと、抜けられなくなるのです。
夜に読むと怖くて眠れなくなるので、ぜひお昼に読むことをおすすめします。
③『破戒』 島崎藤村 作 新潮社
瀬川丑松は、生徒から人気の学校の先生。彼には誰にも言うことのできない秘密がありました。それは、差別を受けてきた身分であること。彼が父親から受けた戒めは、決してそれをうちあけるな、隠せというものでした。
私は、丑松の親友の銀之助が心に残りました。差別やいじめを受けた友達に、皆さんは彼のように、態度を変えずに手を差し伸べることはできますか。
戒めを守ってきた丑松でしたが、同僚に秘密を知られ、心無い言葉を投げかけられます。
そして丑松は覚悟を決め、生徒たちに自分の秘密をうちあけるのです。
今でも男女差別や人種差別等、なくなることはありません。秘密を隠さなくてもよい社会を作るために、私たちには何ができるのか。答えは一つではないし、分からないかもしれないけれど、考えることが大切なのだと私は思います。
④『変な家』 雨穴 作 飛鳥新社
今日は不気味で、でも妙に現実味のある物語を紹介します。
雨穴さんは、友人から相談があり、新しく家を買いたいということでした。間取り図を見ると、台所とリビングの間に謎の空間があるという不気味な点がありました。
設計士の栗原さんに相談すると、それは意図的に作られたものだと言います。さらに栗原さんは、この家の恐ろしい所は2階なんじゃないかと言うのです。間取り図を見ると、子供部屋を囲むように周りに部屋があります。その部屋は二重扉になっていて、まるで監禁部屋のようなのです。一体何のために?
この後、雨穴さんは恐ろしく、とても信じがたい事実に気付きました。
この本が面白いのは、自分の予想をはるかに裏切られる所です。皆さんもぜひこの本を読んで確かめてみてください。
今日参戦してくれた4人全員の発表が終了し、投票タイムに入ります。全員が、“一番読みたくなった”1冊に投票します。
そして、一番得票が多かった本が“チャンプ本”になります。
集計が終わったら、いよいよ結果発表です。
チャンプ本は…
③の『破戒』に決定!
チャンプ本を発表したバトラーに、中央図書館資料サービス課長から賞状と記念品の贈呈です。
バトラーからは喜びのコメントがありました。
参戦してくれた他のバトラーにも記念品がプレゼントされました。
最後は記念撮影です。
こうして「ビブリオバトル 2024はぴの陣」は幕を閉じました。
今年も参加のみなさまから、ご好評の声を多数いただきました!
【参戦した方の声】
・とても発表しやすい雰囲気がつくれていて、やりやすかったです。あの明るい雰囲気を続けて
いってほしいです。
【観戦した方の声】
・発表した4名の方々が、とてもすばらしいスピーチで、とてもあたたかい気持ちになれました。
・声音やジェスチャーなどを工夫していて、本への想いが伝わりました。
・たいへんすばらしいビブリオバトルでした。
・昨年参加してとても楽しかったので、今年も参加いたしました。
・全て読みたくなりました!楽しかったです!
今回発表したオススメの本は、令和6年11月発行の「はぴ」64号にも掲載します。
どうぞお楽しみに。
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ビブリオバトルは、また来年も夏に開催予定です。ぜひ、ご参加ください!