第4回 ビブリオバトル はぴの陣 開催記録
平成29年7月28日(金曜)「第4回 ビブリオバトル はぴの陣」が開催されました。
まずは中央図書館長から、今回のテーマは中央図書館開館10周年にちなみ「記念」としていることのお話があり、バトラー(参戦者)として応募してくれた市内の中学生6人に応援のメッセージが送られました。
では、バトルを始めましょう!
①『コンビニたそがれ堂』 村山早紀 作 ポプラ社
皆さんは、過去を変えたいと思ったことはありますか?コンビニたそがれ堂は、そんな悩みをもつ人が訪れる、魔法のコンビニです。主人公の一人は、女の子からの手紙を断って傷つけてしまったことを後悔し、たそがれ堂を訪れ、その手紙を再び見つけます。
何事にも挑戦するように、やる前からあきらめず、頑張ろうと思わせてくれるお話です。次は皆さんが、読んでこの本の魅力を見つけてください。
②『いなくなれ、群青』 河野裕 作 新潮社
この本は、階段島という謎の島に住む男子高校生が主人公です。ある日、小学校の同級生の少女に再会した日が「記念日」となり、島の真相を突き止めようとします。
読み終わった後、自分は別世界にいたのではないかという気持ちになり、自分が階段島にいたとしたらどうなるだろうと考えさせられます。この本は、あなたにとって別世界に行った「記念」になるかもしれません。
③『甲子園がくれた命』 中村計 作 講談社
夏といえば甲子園。今年で第99回、来年第100回大会を迎えるのを「記念」し、この本を紹介します。皆さんはオリックス・バファローズで活躍する山崎福也選手をご存知ですか?彼は日大三高に入学する前、中学3年生の冬に脳腫瘍で余命7年と宣告されます。しかし彼は家族や仲間のサポートもあり、高校3年生の春の選抜大会で準優勝投手となります。
この本は野球が分からなくても楽しめます。命の大切さや周りの人の大切さを知ることができる、ぜひ読んでほしい本です。
④『天国への階段』 佐柳くるみ 作 スターツ出版
この本は、私が生まれ変わるきっかけ、「記念」となりました。この本は、クラスでいじめられ、前向きに生きることができなくなってしまった中学2年生が主人公です。ある日、学校の屋上へ向かう「天国への階段」を見つけ、上っていきます。
自分が悩んだり苦しんだりするのは、「生きている」から。昔の自分と主人公を重ねあわせ、自分の成長を実感することができました。この本は希望を持って明日を生きたいと思っている人に読んでほしいです。
⑤『ひきこもりの弟だった』 葦舟ナツ 作 KADOKAWA
この本はひきこもりでひねくれた兄と、その兄をひいきする母を持ち、誰も愛することができなくなったサラリーマンが主人公です。彼はある日、駅のホームで出会った見知らぬ女性と、「三つの質問」をきっかけに一週間後に結婚し、生活を共にすることになります。その過程で二人の壮絶な過去が明らかになっていくところが見所です。
この作品は、私にいつまでもつらい過去を引きずってはいけない、ということを教えてくれた「記念」の本です。
⑥『翼をもつ少女』 山本弘 作 東京創元社
この本は、高校のビブリオバトル部に所属する、個性豊かな6人をめぐる物語です。それぞれ好きな本を持ち寄り、生き生きと紹介しています。主人公の二人は悲しい過去を持ち、偏ったジャンルの本しか読まないのですが、紹介する本はとても感動的です。
この本は、自分も初めてビブリオバトルに出てみようと思った、「記念」の本です。この作品にはたくさんの本がでてくるので、まだまだ知らない本がある、と気づかされました。あなたにぴったりの本をみつけて、忘れられない読書体験をしてもらえれば嬉しいです。
6人全員の発表が終了し、投票タイムに入ります。参戦者・観戦者全員が、“一番読みたくなった本”1冊に投票します。
そして、一番得票が多かった本が“チャンプ本”になります。
集計が終わったら、いよいよ結果発表です。
チャンプ本は…
接戦の結果、②の『いなくなれ、群青』に決定!
チャンプ本を発表したバトラーに、中央図書館資料サービス課長からチャンプ本認定証と記念品の贈答です。バトラーからは喜びのコメントがありました。
参戦してくれた他のバトラーにも記念品がプレゼントされました。
最後は、バトラー全員ととしょ丸で記念写真です。
こうして「第4回 ビブリオバトルはぴの陣」は幕を閉じました。
観戦した方からは「本を紹介する熱意が感じられた」「読みたいと思える本に出会えた」といった感想もいただきました。
今回発表したオススメの本は、平成30年1月発行の「はぴ」39号にも掲載します。
どうぞお楽しみに。
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(記録:「はぴの陣」実行委員)