大宮図書館移転開館四周年記念展示「そらんじゐし花言葉ー大西民子、花を詠む」

このページは、2023年7月4日(火曜)まで大宮図書館で開催中の
大宮図書館移転開館四周年記念展示「そらんじゐし花言葉ー大西民子、花を詠む」の記録です。

日時 2023年5月7日(日曜)から2023年7月4日(火曜)まで
場所 大宮図書館 3階 文学資料コーナー
内容 大宮図書館移転開館四周年記念展示「そらんじゐし花言葉ー大西民子、花を詠む」を開催します。
大宮ゆかりの歌人・大西民子は花を愛し、家には常に花を飾るようにしていました。今回の展示では、民子が「花」について詠んだ歌をご紹介します。
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種別 内 容
1 自筆原稿 「はまなすの花も吹かるる潮風にゆれやすかるはこころなりけり」
2 自筆原稿 「妹と母の持ちゐむ父の()に菜の花あまた買ひて帰らむ」
3 自筆原稿 「そらんじてゐし花言葉つぎつぎに置き忘れ()し月日と思ふ」
4 自筆原稿 「身を()むる不文(ふぶん)(おきて)思ふ夜もミモザがこぼす黄なる花びら」
5 自筆短冊 「街にて不意に逢はむ日などを恋ふのみに白木蓮(はくもくれん)の花も(おわ)りぬ」
6 自筆原稿 「街にて不意に逢はむ日などを恋ふのみに白木蓮の花も畢りぬ」
7 自筆色紙 「いづこにも風は吹きゐず花の香に乱されて()めしまどろみのあと」
8 自筆原稿 「いづこにも風は吹きゐず花の香に乱されて醒めしまどろみのあと」
9 自筆原稿 (たけ)長く切り来し菖蒲(あやめ)手向(たむ)けつつ人に知られぬゆかりも過ぎぬ」
10 自筆原稿 「てのひらをくぼめて持てば青空の見えぬ傷より花こぼれ来る」
11 自筆原稿 「日の暮れに連れ出づる犬の在らぬこと思ひてをれば妹の言ふ」
12 自筆原稿 「共に行きてヨークシャーにヒース見たしなどと言ひたりき死の幾日前か」
13 自筆短冊 「道のべの紫苑(しおん)の花も過ぎむとしたれの決めたる高さに(そろ)ふ」
14 自筆原稿 「道のべの紫苑の花も過ぎむとしたれの決めたる高さに揃ふ」
15 自筆原稿 「地下深く何()ぎごとのあらむ日か花サフランの湧き出でて咲く」
16 自筆原稿 (えり)もとをゆるむるやうにほぐれゆく花菖蒲(はなしょうぶ)見てひと日見飽かぬ」 「ゆらぎつつしづもりにつつ松の花かそかに天の中枢(ちゅうすう)へ向く」
17 自筆原稿 「亡き人のたれとも知れず夢に来て菊人形のごとく立ちゐき」
18 民子所有品 花瓶

資料はすべて大宮図書館所蔵です。
 
 参考文献 『日本古典文学全集41 松尾芭蕉集』 小学館 1976年 
      『朝日百科 世界の植物2 種子植物2』 朝日新聞社 1979年
      『大西民子集-現代短歌入門(自解100歌選)』 大西民子/著 牧羊社 1986年
      『大西民子の歌(現代歌人の世界4)』 沢口芙美/著 雁書館 1992年
            『多年草図鑑1000-永久保存版-(プラントフォトガイドシリーズ)』 英国王立園芸協会/編 英国王立園芸協会日本支部/訳 日本ヴォーグ社 1997年
      『評伝 大西民子』 有本倶子/著 短歌新聞社 2000年
      『日本国語大辞典4』第2版 小学館国語辞典編集部/編 小学館 2001年
      『嵐が丘 上』 エミリー・ブロンテ/著 河島弘美/訳 岩波書店 2004年
      『まぼろしは見えなかった-大西民子随筆集-』 さいたま市立大宮図書館/編 さいたま市教育委員会 2007年
      『大西民子全歌集(波濤双書)』 大西民子/著 現代短歌社 2013年
      『大西民子-歳月の贈り物-』 田中あさひ/著 短歌研究社 2015年
      『総合百科事典ポプラディア7』第3版 ポプラ社 2021年