大宮図書館 第19回企画展「暑い夏!寒い夏?大西民子が感じた夏模様」

このページは、2023年9月4日(月曜)まで大宮図書館で開催中の
第19回企画展「暑い夏!寒い夏?大西民子が感じた夏模様」の記録です。

日時 2023年7月7日(金曜)から2023年9月4日(月曜)まで
場所 大宮図書館 3階 文学資料コーナー
内容 大宮ゆかりの歌人・大西民子は、夏の風景を詠む一方、幼少期に体験した冷夏についてエッセイに残しています。今回の展示では、民子が感じた「夏」の歌をご紹介します。
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種別 内 容
1 自筆色紙 「ときじくのまなかひに降る日照り雨光の粒を()くごとくふる」
2 自筆色紙 「ふりこぼしきたる(うろこ)をたどりゆく道の如しも夏の落葉は」
3 自筆原稿 「空間を一直線にわれに来る向日葵(ひまわり)の黄とその芯の黒」
4 書籍 『印度の果実』大西民子 著 1986年刊行・初版 短歌新聞社
 掲載歌「回しつつ歩む日傘のレースよりこぼれてやまず木々のみどりは」
5 書籍 『無数の耳』大西民子 著 1966年刊行・初版 短歌研究社
 掲載歌「花火の匂ひ残れる渚帰らぬと知りつつ待ちし年月思ふ」
6 自筆原稿 「思はぬ近みに花火あがれり見ようともせぬ人多きバスに過ぎゆく」
7 自筆色紙 『夕ぐれの歌』(大西民子手作り歌集)より 奈良女子高等師範学校時代
 掲載歌「お城町のかの一夏(ひとなつ)やたえがたく吾を恋せし()の子もありき」
8 自筆原稿 蚊遣(かや)りの匂ひ残れる部屋にめざめゐつ寂しき朝にも馴れて久しき」
9 自筆短冊 ()いろのちがふ風鈴部屋をへだてゝさながらふたつ鳴ることのあり」
10 自筆原稿  「風鈴の舌ひるがへり音絶ゆる時の()ありて風の過ぎゆく」
11 書籍 『風の曼陀羅』大西民子 著 1991年刊行・初版 短歌研究社
 掲載歌「シャーベットを卓上に置き二人ゐても三人ゐてもさびしき(よはひ)
12 自筆原稿 「花火()きしあとの気になり出でて来てふたたび仰ぐこよひの銀河」
13 民子所有品 うちわ
14 自筆原稿 「一夏に荒らせる庭とめぐりつつ野芥子(のげし)の穂わた吹けば飛びかふ」
15 自筆原稿 「混みあへる浴衣(ゆかた)売り場の人形は少し反り身に日傘をさせり」
16 自筆原稿 「長びける会議のさなか夏雲を追はむに狭しオフィスの窓は」
17 書籍 『野分の章』 大西民子 著 1979年刊行・初版 牧羊社
 掲載歌「書類届けにきたる少女は三階の暑さを言ひて階下りゆく」
18 書籍 『風水』 大西民子 著 1986年刊行・初版 沖積舎
 掲載歌「詫びられて済むことならずクーラーに冷やされてゆく魂までも」
19 書籍 『風水』 大西民子 著 1986年刊行・初版 沖積舎
 掲載歌「残業を終へて出で来てゆくりなく七夕の夜の賑はひに会ふ」
20 自筆原稿 「寒さの夏」大西民子 筆「形成」1978(昭和53)年8月号 掲載

資料はすべて大宮図書館所蔵です。
 
 参考文献 『大西民子集-現代短歌入門(自解100歌選)-』大西民子/著 牧羊社 1986年 
      『青みさす雪のあけぼの-大西民子の歌と人生-』原山喜亥/編 さきたま出版会 1995年
      『回想の大西民子』北沢郁子/著 砂子屋書房 1997年、『評伝大西民子』有本倶子/著 短歌新聞社 2000年
      『まぼろしは見えなかった-大西民子随筆集-』大西民子/著 さいたま市立大宮図書館/編 さいたま市教育委員会 2007年
      『大西民子全歌集』大西民子/著 波濤短歌会/編 現代短歌社 2013年
      『いちばんわかりやすい俳句歳時記-八千の季語、七千七百の例句がぎっしり!-』増補版 辻桃子/著ほか 主婦の友社 2016年
      『広辞苑』第7版 新村出/編 岩波書店 2018年、『短歌用語辞典』増補新版 日本短歌総研/編 飯塚書店 2019年
      『全円の歌人-大西民子論』沖ななも/著 角川文化振興財団 2020年