バラのまちだより No.20

ローズウィンドウ-教会の輝きを自分の部屋に-

 みなさんはローズウィンドウをご存知ですか?『ローズウィンドウ』とはもともと教会の美しく飾った円形のステンドグラスである『薔薇窓』を指す言葉で、それを紙で再現したものがローズウィンドウです。重ね切り絵と似ていますが、出来上がった作品をステンド グラスのように窓辺や電灯にかざすことで光を通し、色彩を楽しむペーパーアートです。

 形、色とともに徹底的に計算され洗練されつくした薔薇窓は、天と地のあいだに位置するものとして教会の神廊の壁に設けられ、その円形は神を中心とした完璧なシンメトリーを保ちながら永遠と無窮を表しています。その薔薇窓から射しこむ光を、ローズウィンドウ用紙と呼ばれる薄葉紙を図案に沿って切り抜いたり何枚も重ね合わせたりすることで表現します。

 用紙は薄く繊細なため、作成には根気と忍耐力が必要ですが、完成後に光を通した輝きは感動そのもの。枠は黒く翳り、重ねた用紙は新しい色を生み出し、手元に有った時とは全く別の表情となってまさに光の魔法のようです。仕上がりを想像しながら時間をかけて作成できるクラフトワークです。

参考資料

お気に入りのバラをもっともっと楽しむ方法

大好きな花は長く楽しみたいものですよね。摘み取った花をきれいなまま長持ちさせるにはコツがあります。ぜひ試してみてください。

コツ1 切り花を長持ちさせる

 水揚げにひと手間かけると長持ちすると言われていますが、バラは「湯揚げ」にも向いています。水揚げしてもうまく水が揚がらないときに試してください。

 傷んだ葉や花、いけた時に水に浸かる葉を取ります。また茎が腐る原因にもなるため、茎のぬめりを洗い流します。お湯に浸けた時に湿気や熱気がかからないように、茎を10cmほど出して新聞紙で包みます。60度以上のお湯を茎が3~4cm浸かるくらい用意し、熱で浸けた部分の茎の色が変わるくらいまで浸けます。水を入れておいた深めの器に、お湯から引き上げた花材を素早く移し替えましょう。このまま1時間以上置き、茎にハリが出れば湯揚げ完了です。バラはすぐに茎が変色しますが、そのままいけて大丈夫。気になる場合は水切りのように水中で斜めに切ってください。

コツのコツ

 いけた後、花に栄養を与えたいときは砂糖をひとつまみ加えましょう。
 その際、雑菌増加の原因にもなるので、塩素系漂白剤1滴も併せて入れると効果的です。

コツ2 ドライフラワーにする

 ドライフラワーの魅力は生花とは全く違う表情に出会えること。自分で作る際は、日々少しずつ変わっていく姿を見ることが出来るのも醍醐味です。

 ドライフラワーを作ると決めたら、早めに水から上げましょう。生花を元気がなくなるまで水に浸けていると、きれいにドライにならず、そのままダメになってしまうことも…。ドライフラワーにとって湿気は大敵。乾く前にカビたり腐ったりしてしまいます。特に花ビラが多いタイプは蒸れやすく、きれいにドライするのは難しいので気を付けて。風が通る場所で乾かしましょう。また、逆さまにして吊るすこともポイント。吊るすことで全体がむらなく乾き、形も崩れにくくなります。

コツのコツ

 濃い赤は乾かすと黒っぽくなるので、赤いドライにしたいなら明るい赤の花を選ぶのもきれいに作るポイントです。

参考資料

♪♪百万本のバラのものがたり♪♪

 バラをテーマにした流行歌は数々ありますが、昭和62年(1987年)に加藤登紀子さんが歌った「百万本のバラ」も心に残る名曲ですね。この曲は1982年の旧ソビエトで、ロシアの詩人ヴォズネセンスキーが作詞して大ヒットしました。日本で知られている歌詞は加藤登紀子さんご自身が訳されたものです。

 女優に恋をした貧しい画家が、広場を埋め尽くすほどの真っ赤なバラを贈り、報われずとも思い出を心に孤独な人生を生きた、という歌詞はとても切ないものでした。

 この歌詞のモデルになっているのはグルジアの画家ニコ・ピロスマニです。1862年に生まれたピロスマニは大変貧しく、日々の糧を得るのがやっとという生活を送っていました。ある時、フランスから巡業で訪れた女優マルガリータと出会い、夢中になったピロスマニは彼女の絵を描きました。その絵とピロスマニの人生が語られるうちに、この歌詞の物語が伝説のように定着していったようです。

 その後の二人の本当の物語は知る由もありませんが、ピロスマニは貧しく孤独なうちに56歳の生涯を閉じました。真っ赤なバラの切ないストーリーは美しいメロディにのって、現代の人々の心まで今も深く響いています。

参考文献