バラのまちだより No.26
ようこそ!!バラと湖の庭園へ
バラのシーズンでおすすめのスポットは『軽井沢レイクガーデン』です。小さな湖を中心に、8つのガーデンエリアからなる広大な庭園で、各エリアが季節によってバラ以外にもさまざまな植物や花々であふれます。
レイクガーデンの入口に立つと、バラがあふれる英国貴族の館の前に居るかのような錯覚を覚え、入口の建物【領主の館】を意味するマナーハウスを抜けると、さらにこの場所が日本なのかと思うほどの、本格的なイングリッシュローズガーデンが目の前に広がります。
8つ全て、ゆっくりと歩いて巡っても、小一時間で回れます。ガーデン内を散策すると、鳥の声が聞こえ、湖から風を感じ、色々な花々の香りに全身を包み込まれ、心癒されること間違いなしです。
◎開園期間 2019年4月19日(金)~11月4日(月・祝)
◎ローズシーズン 2019年6月8日(土)~7月15日(月・祝)
所在地:長野県北佐久郡軽井沢町レイクニュータウン
TEL:0267-48-1608 FAX:0267-48-1619
【アクセス】 《最寄りの駅からバスの場合》
JR軽井沢駅北口から東・南廻り線に乗り「ニュータウン入り口」下車、徒歩1分
参考資料
名前に注目!ユニークな品種名とその由来
バラは現在2万品種以上あるとされ、毎年次々に新しい品種が生まれています。そんな数多くの品種の中から、ユニークな品種名のバラを集めてみました。
●ピース
「平和」の名を冠するバラ。第二次世界大戦が終わった1945年、平和への願いを込めて「ピース」とアメリカで命名されました。強健で耐病性がある名花で世界的な大ブームとなり、世界バラ会連合初の殿堂入りを果たしました。
●ノックアウト
ローズピンク色のバラ。黒点病などの病気を「ノックアウト」するほど強健なため、この名前が付けられました。暑い夏場も休むことなく、シーズンを通してよく咲くバラです。
●聖火
白地にローズピンク、開花につれ濃くなっていく赤色が特徴。1967年に日本で作出された、日本の品種登録第1号のバラです。花名は1964年に開催された東京オリンピックを記念したものです。
●しのぶれど
百人一首の中のひとつ、平兼盛の忍ぶ恋を詠った「しのぶれど色に出でにけり我が恋はものや思ふと人の問ふまで」にちなんでいます。上品な藤色をしており、落ち着いた雰囲気のあるバラです。
●ディズニーランド ローズ
ディズニーランドのパレードをイメージして作出されました。咲き始めは明るいオレンジ色で咲き進むにつれてピンク色に変わっていく、面白いバラです。バラの咲く季節には、その名の通り東京ディズニーランドでもその姿を楽しむことができます。
●ファビュラス!
「すばらしい!」という意味の英語で、なんと名前に感嘆符が入っています。花つきがよく見応えのあるバラで、2000年にアメリカで作出されました。
●ラジオ・タイムズ
イギリスの雑誌『ラジオ・タイムズ』の70周年記念として命名されました。強いオールド・ローズの香りが魅力的なバラです。
●プリンセス・オブ・ウェールズ
イギリスの故ダイアナ妃の10年以上にわたる英国肺病基金の活動をたたえて、英国女王がそのネーミングを許可しました。このバラの売上金の一部は彼女が関わっていた慈善活動団体に寄付されます。
他にもこんな名前のバラがあります。
画家にちなんで・・・ | 音楽家にちなんで・・・ |
---|---|
・クロード・モネ ・レオナルド・ダ・ヴィンチ ・オウギュスト・ルノアール |
・モーツアルト ・チャイコフスキー ・マリア・カラス |
まだまだ紹介できないほどの数のバラがあります。中にはあなたの名前と同じ名を持つバラがあるかも……!?
バラ園で鑑賞するときには、ぜひバラの名前も楽しんでみてください。
参考資料
- 『色分け花図鑑バラ 名前の由来と品種がわかる 庭を美しく彩る品種選びに役立つ本』入谷伸一郎/著 京成バラ園芸/写真 学研 2008年
- 『オールドローズと現代バラの系譜』バラの系譜編集委員会/編 誠文堂新光社 2009年
- 『東京ディズニーリゾート植物ガイド 138種の植物を掲載!』畑山信也/企画・文・写真 竹下大学/監修 講談社 2016年
- 『ヨーロッパ バラの名前をめぐる旅 The Seven Roses Story』松本路子/文・写真 メディアファクトリー 2009年
- 『薔薇大図鑑2000』後藤みどり・他/監修 草土出版 2006年
「茨城」の地名の由来はバラだった!?
県の花が「バラ」であり県章もバラをモチーフにしている茨城県。茨城県とバラにはどのようなつながりがあるのでしょうか。
実は「茨城」の地名の由来として、一説にはバラが関係していると言われているのです。奈良時代に編纂された『常陸国風土記』茨城郡条に次のような記載があります。
「古老の曰はく、昔、国巣山の佐伯、野の佐伯あり。普く土窟を堀り置きて、常に穴に居み~(中略)~狼の性、梟の情にして、鼠のごとく窺ひ、狗のごとく盗む。~(中略)~此の時大臣族黒坂命、出で遊べる時を伺候ひて、茨蕀を穴の内に施き、騎兵を縦ちて、急に逐ひ迫めしむ。佐伯等、常にの如く土窟に逃げ帰る。尽に茨蕀に繋りて衝き害はれて疾み死に散けぬ。故、茨蕀を取りて、県の名に着く。或曰はく、山の佐伯、野の佐伯、自ら賊の長と為り、徒衆を引率て、国中を横しまに行き、大きに却め殺す。時に、黒坂命、此の賊を規り滅さむと、茨を以ち城を造る。所以に、地の名を茨城と謂う。」
<意味>昔、山の佐伯、野の佐伯というものがいて、穴倉を掘りその穴に住み、窃盗や殺人を犯していました。そこで黒坂命は、佐伯が穴から出ているすきに茨を穴の中に敷き詰めて(あるいは茨の城を作って)彼らを退治しました。そのため、この地を「茨城」といいます――。
ここに出てくる「茨」とはバラのことだと考えられています。このように、茨城県とバラは古くから関わりがあったのです。
参考資料
- 『風土記 現代語訳付き 上』 中村啓信/監修・訳注 KADOKAWA 2015年
- 『茨城県謎解き散歩 納豆、あんこう鍋からアントラーズ、黄門様まで「常陸国」には今も昔も魅力がいっぱい!いばらきに行ってみっぺ!』 石塚眞/編著 新人物往来社 2012年
茨城県庁「いばらきのシンボル」2015年(最終閲覧日:2019年4月3日)
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