バラのまちだより No.1

バラのまちだより No.1表紙

アンネの薔薇をご存知ですか?

園芸家ヒッポリテ・デルフォルヘによって作出された薔薇の品種です。つぼみのときは赤、開花するとオレンジに黄色がかった黄金色、さらにサーモンピンクから赤へと、美しく変色します。

平和を願いながら亡くなったアンネ・フランクの形見として、アンネの父オットー・フランクに捧げられました。『アンネの日記』が各国語に訳され読まれ続けているように、アンネの薔薇も日本をはじめ多くの国に贈られ、美しい花を咲かせています。さいたま市では、中央区のベツレヘム教会でアンネの薔薇を見ることができます。

ふたつの『砂漠の薔薇』

  • 「砂漠の薔薇」 赤羽尭著 講談社

    大学教員の箱崎。妻涼子は翻訳の仕事をしている。外国旅行のあと涼子は、精神に異常をきたす。精神科に通院後、小康状態を得た涼子を日本に残し箱崎は外国旅行に出かけた。日本に戻ってきたとき、涼子は行き先も告げずにいなくなっていた。

    箱崎は涼子を探してパリ、イタリアと跳びまわり、やっと会うことがかなった。涼子はチュニジアの砂漠にある薔薇が見たいという。二人は苦心の末、砂漠の薔薇をみつけ、帰国する。砂漠の薔薇をさがす旅は二人の絆を確かめる旅でもあった。

  • 「砂漠の薔薇」 新堂冬樹著 幻冬社

    数年前の音羽幼児殺害事件にヒントを得た作品と思われる。名門幼稚園の‘お受験’を控えた若い母親たちのグループに入った中西のぶ子。彼女もまた娘の美涼を入園させようと躍起になっている母親の1人だった。

    小学校からの親友十和子はグループのリーダー挌で、なかなかとけこめないのぶ子に何かにつけて気を配ってくれる。のぶ子はそんな十和子の影のように生きてきた。明るい薔薇のような十和子とくらべ、自分は砂漠の薔薇だと思っている。鬱屈したのぶ子の心は限界となり、ある日十和子の娘こずえを殺してしまう…。

~もうひとつの『砂漠の薔薇』~

  • 「砂漠の戦場にもバラは咲く」 姜仁仙著 毎日新聞社

    軍人だけではなく、記者や一般人にも、いつ死がおとずれるかもしれない2003年のイラク。砂漠、砂嵐、戦場…、これほど薔薇の花が不似合いな土地も少ないだろう。不毛とも思われる砂漠に、ある朝突然咲いたピンクの薔薇を見たときの驚きと喜びなど、特派員としてイラクに赴いた従軍記者の体験記。

ふたつの『薔薇の殺人』

  • 「薔薇の殺人」 内田康夫著 角川書店

    浅見光彦の遠縁にあたる大学生・緒方聡が女子高生・浜岡文絵誘拐の嫌疑をかけられた。聡の疑いをはらすため、行方不明になった文絵の家を訪れる。そこに届いた脅迫状は文絵の出生の秘密をばらすという内容だった。文絵は人気俳優の三上洋と宝塚出身の女優・鳥越美香との間に生まれた娘だった。

    三上と妻、美香、文絵の間によこたわる愛憎が三人もの人を死に至らしめる。

  • 「薔薇の殺人」 西村京太郎著 双葉社

    田島は結婚して半年。ある日妻の美佐子が出かけたまま戻らない。必死で探したが、美佐子は殺されてみつかった。死体の胸には赤い薔薇がさしてあった。田島には自分にも美佐子にも人から恨みをかうような覚えがない。

    おかしなことといえば、美佐子がいなくなったとき、「Mに甘美な死を」という手紙が届いたことだけだ。誰がこんな手紙を送ったのか?調べていくうちに新たな事件がおこる。

色によって違う薔薇の花ことば など

色によって違う薔薇の花ことば : 赤・模範、貞節 / 黄・嫉妬 / 白・私はあなたにふさわしい / 蕾・恋の告白 / 桃・愛を待つ

薔薇園への誘い(いざない)

薔薇を愛する人は皆、‘私の薔薇園’を心の中に持っています。
清楚な野茨の花から、ゴージャスなモダン・ローズまで、ありとあらゆる花を咲かせている人。
白薔薇だけのホワイト・ローズ・ガーデンにこだわる人。
香り高いオールド・ローズを集めている人。
幼い頃からの思い出がからむ薔薇園を大切にしている人。
恋の記念の薔薇のシークレット・ガーデンの主もいます。
それぞれに違った理由で人は薔薇を愛し、心の薔薇園で夢をみます。
薔薇はこの世にある最も美しく、かぐわしい愛の形かもしれません。
この本は、私の薔薇園の花で作った百花香のようなもの。

こんな前書きではじまるこの本は、薔薇を愛する著者が、芸術や歴史など、薔薇をめぐる話を綴ったもの。ちょっとしたバラ博士になれます。

薔薇色は中央区の色、与野公園や区役所の前など、たくさんの薔薇が咲きますが、町を歩いていると、家々の庭や垣根にも薔薇がいっぱい咲いているのを見ることができます。やっぱり中央区は‘ばらのまち’なんですね。