Train Library No.15

有栖川有栖先生の「乗り鉄」ミステリー?

 プロフィール紹介 同志社大学法学部卒。1989年『月光ゲーム』でデビュー。『マレー鉄道の謎』で第56回日本推理作家協会賞。『女王国の城』で第8回本格ミステリー大賞を受賞。本格ミステリー作家クラブ初代会長。著書に『双頭の悪魔』、『スイス時計の謎』『闇の喇叭(ラッパ)』など。  

有栖川有栖の鉄道ミステリー旅 山と渓谷社 2008年

 「大学生のときに出合った一冊の本が、著者本人に眠っていた「乗り鉄心」を目覚めさせる。本書の中に「線路はどこまでも続き、車窓も続く。そして、その面白さはどこまでも奥深い。ありがたいことに、車窓を眺めるのにライセンスは不要で、鉄道は老若男女を問わず受け入れてくれる。切符さえ手にすれば、誰にでも公平で優しい。鉄道で旅する喜びを知れば、人生から退屈の二文字を駆逐できるだろう」と記している。鉄道に対しなんと愛のある文章だろうか。「この鉄ミスがすごい!ベスト60」も収録。

赤い月、廃駅の上に メディアファクトリー 2009年

 廃線跡、捨てられた駅舎。赤い満月の夜、異形のモノたちが動き出す。17歳の不登校の少年が一人旅で訪れた町はずれの廃駅。ライターの男と待合室で一夜を明かすことになるが、深夜、来るはずのない列車が不気味な何かを乗せて到着する。表題作(赤い月、廃駅の上に)を含む10作からなるホラー短編集。

HOT NEWS B.B.BASE(房総バイシクルベース)始動!

 JR東日本千葉支社は、千葉方面へのサイクリング需要に対応するため、元南武線209系を改造し自転車を折りたたまずに輪行できるサイクルトレイン「B.B.BASE」を導入しました。車両は6両編成で、車体にはロードバイクが描かれ、1~3号車及び5~6号車は座席(99席)、自転車を固定するためのサイクルラック(99基)を設置し、4号車はフリースペースとなっています。B.B.BASEは、両国駅を基点に千葉県内を内房・外房・佐原・銚子の4つのエリアに分け、日帰りと宿泊の両スタイルが選べるコースを設けています。房総の青い海や緑の丘を愛車で駆け巡れるこの運行は、サイクルファンの心を弾ませるのではないでしょうか。

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