Train Library No.26

~おすすめ鉄道本~

紙の上のタイムトラベル 松本典久/著 東京書籍 2021年

 日本の鉄道創業以降の出来事が時系列にまとめられており、社会情勢の変化、技術の進化と関連づけながら、鉄道の歴史を振り返ることができます。
 本書によると、『JTB時刻表』の原点となる時刻表の創刊は、なんと1925(大正14)年。版元の合併や改称を経て、現在も刊行が続いているのがすごいですね。

鉄道制服図鑑 「旅と鉄道」編集部/編 天夢人 2020年

 乗る、撮る、聴く、食べる・・・鉄道の楽しみ方の本もイロイロですが、今回は制服本の紹介です。
 全国の鉄道会社の制服が、運転士や駅員の制服を始め、設備部門やキッチンクルーの制服なども紹介されており、制服のデザインから、各社の様々な工夫や伝えたいテーマなどに触れることができます。普段何気なく見ていた制服も、見え方が変わるかもしれませんよ?

漱石と鉄道 牧村健一郎/著 朝日新聞出版 2020年

 鉄道の発達と同時代に生きた夏目漱石は、よく汽車の旅に出ていました。『三四郎』や『坊っちゃん』などの作品中にも汽車が登場し、車内や駅での出会いが描かれています。著者は、漱石の小説や日記、書簡などをもとに、当時の時刻表や旅行案内を手掛かりにして、漱石が実際の汽車旅に出かけた足跡を推理し、路線ごとにたどっていきます。夜行特急や食堂車に思いを馳せつつ、当時の車両の揺れが漱石の持病にこたえたのではないかという考察も含め、漱石愛に溢れた一冊です。

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