Train Library No.14
鉄道オタクの先駆者内田百閒先生
プロフィール紹介 内田百閒 1889年(明治22年)生まれ 本名・内田栄造。別号・百鬼園。岡山市に酒造家の一人息子として生まれる。東京大学独文科に入学。漱石門下の一員となり芥川龍之介、鈴木三重吉らと親交を結ぶ。卒業後は陸軍士官学校、法政大学の独語教授を歴任。1934(昭和9)年、法大を辞職して文筆家の生活に入った。著書に『冥途』『旅順入城式』、『百鬼園随筆』『百鬼園俳句帖』『御馳走帖』等がある。
第一阿房列車
「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う」「旅行に行くために汽車に乗るのではない。汽車に乗るために旅行をするのだ。だから目的地に着いたら、早々に帰るのである」借金までして一等車に乗った百閒先生、用事のない行程を「阿房列車」と名付け、弟子の「ヒマヤラ山系」を連れ、旅に出た。道中で見聞きした戦後の復興の様子や、地方の世俗が描かれ、先生のボヤキと弟子との軽妙な会話が、なんとも微笑ましい。
ノラや
自宅の庭で子猫にご飯をやるうちに、すっかりなついてしまった。野良猫だからノラと命名。 気難しい内田百閒先生は、ノラの可愛さにはまってしまい溺愛する。ところがある日、家を出ていったまま帰らない。一週間待っても一ヶ月たっても戻らない。先生は心配でおろおろするばかり。日々泣いて暮らし、遂には折込広告や新聞広告まで出したが、大した情報が得られない。ノラは戻らないのだろうか。先生はさみしくてたまらない。
HOT NEWS SL 「大樹(たいじゅ)」
東武鉄道は、約50年前にSLの運転を終了していましたが、今年の8月 に鬼怒川線の下今市駅~鬼怒川温泉駅間を走るSL「大樹」を復活させました。蒸気機関車は、JR北海道から借り受けた「C11形207号機」。全6両編成で、自動列車停止装置(ATS)を積んだ車掌車、客車3両(全200席)、最後尾は入替や緊急時に備えたディーゼル機関車を連結しています。全走行12.4㎞を35分でつなぎ、車内では、観光アテンダントが観光やグルメ情報を案内し、地域の魅力を伝えます。観光スポットとしては、下今市駅には機関車の転車台、鬼怒川温泉駅には足湯等の温泉や東武ワールドスクウェアがあり、地域活性化と東北復興支援を目的として走ります。