バラのまちだより No.5

バラのまちだより No.5表紙

バラの皇后ジョゼフィーヌ

フランスの植民地の島で、フランス人の父親と島の娘の母親の間に生まれたジョゼフィーヌ。2度目の結婚でナポレオン・ボナパルトの妻となります。夫より6歳年上の「姉さん女房」でしたが、ナポレオンは彼女にすっかり夢中になったとか。瞬く間に出世街道を駆け上がる夫のおかげで栄光と財産を手にしたジョゼフィーヌは、パリの近郊に「マルメゾン」という館を法外な値段で購入し、贅の限りを尽くします。

放蕩が過ぎ、やがてナポレオンに離婚されてしまうジョゼフィーヌですが、皇后の地位とマルメゾンは取り上げられずに済みました。ジョゼフィーヌはマルメゾンに巨大な温室を作り、世界中の珍しい植物を集めたそうです。中でもバラの収集と品種改良には熱心で、現在、世界中でバラが園芸品種として栽培されているのも、ジョゼフィーヌがいたからこそと言われています。画家ルドゥテに、その自慢のコレクションを一品種ずつ描かせたことでも有名です。

ジョゼフィーヌの幼少期の名前は「ローズ」。その名のとおり、バラが大好きな女性だったのですね。

参考資料

バラにまつわるこんな本はいかがですか?

  • 「ばらのことり」 よこみちけいこさく 福音館書店

    「おとうさん、ばらから ことりが うまれたよ!」ふうこが庭で見つけたのは、おかあさんの形見のばらの中で、雨に濡れてぐったりと震えている小鳥。ふうこは、おとうさんとふたりでいっしょうけんめい世話をします。

    おかあさんのことを今でも大好きな父子の、楽しくがんばっている暮らしぶりが、絵の隅々から伝わってくる絵本。

~不気味な黒魔術~

  • 「薔薇の男」 マヌエル・ローハス著 (『美しい水死人 ラテンアメリカ文学アンソロジー』福武書店 より)

    布教の旅の途中で訪れたチリ南部の町で、エスピノーサ神父は「黒魔術が使える」という男に声をかけられる。信じられない神父は、男を試そうと、遠く離れたサンティアゴから一輪の薔薇を取ってくるよう指示。男は「一時間経つまで開けるな」と言って小さな部屋に閉じこもった。待ちきれず、途中でドアを開けてしまった神父は、恐ろしい光景を目にする…。

    チリの民話をもとにした短編。

~薔薇に彩られた愛と謎~

  • 「薔薇の恋唄」 山崎洋子著 角川書店

    芸能界から追放された元アイドル歌手・みのりに映画主演の話が舞い込んだ。

    役柄は二十年前、新宿ゴールデン街に出没していた実在の女性・水晶子(みあこ)。宝石商の愛人でありながらその宝石を盗み、別の恋人を追ってイタリアへ飛んだまま、現在まで行方不明だという。みのりが水晶子に似ていると言う、原作者・鮎川から指名されての抜擢だった。

    取材のため、みのりは鮎川や映画スタッフ達と共にイタリアへ渡る。ローマ、フィレンツェ、ミラノ、そしてベニスと、水晶子の足跡を探って旅をするみのり達。影でうごめく何者かの意思、複雑に絡まる人間関係、深まる謎。水晶子は生きているのか?水晶子が追った恋人とは、鮎川なのか?みのりと水晶子は、実は母子なのか?

    旅の果ての地ベニスで、みのりへ届けられたガラスの薔薇が、謎を解き明かす道しるべとなる。

世界各地の「バラのまち」

「バラ色」が「区の色」にもなっている「バラのまち」中央区。旧与野市の時代から、バラは「市民の花」に指定され(1990年6月。ちなみに「市の花」はサクラでした)親しまれてきました。1992年5月には「ばら制定都市会議(ばらサミット)」が与野市で開催され、参加した各都市のバラが与野公園に記念植樹されました。

バラの魅力は万国共通のようで、日本国内各地や、世界のたくさんの国でシンボルとして愛されています。その一部をご紹介します。

~県の花・市の花・区の花~

秋田県潟上市 / 山形県村山市 / 茨城県 / 群馬県前橋市 / 千葉県市川市 / 千葉県八千代市 / 東京都港区 / 神奈川県横浜市 / 神奈川県綾瀬市 / 山梨県笛吹市 / 岐阜県可児市 / 静岡県富士市 / 愛知県西尾市 / 大阪府岸和田市 / 大阪府豊中市 / 大阪府茨木市 / 大阪府寝屋川市 / 大阪府松原市 / 広島県福山市

~国花~

アルジェリア / イラク / イラン / オマーン / サウジアラビア / シリア / モロッコ / イングランド / ブルガリア / ポルトガル / モロッコ / ルクセンブルク / ルーマニア

 

参考