バラのまちだより No.14

バラのまちだより No.14表紙

日本人とバラ

日本におけるバラの起源を調べると、万葉集ではこんな歌が詠まれています。

枳の棘原刈り除(そ)け倉建てむ 屎遠くまれ櫛造る刀自

(カラタチバナというとげのある植物を刈り取って倉を建てよう。屎は遠くでしてくれ、櫛をつくるおばさんよ 境部王 3832)

道の辺(へ)の茨(うまら)の末(うれ)に延(は)ほ豆の からまる君を別れか行(ゆ)かむ

(道ばたにあるイバラの先にはい伸びている豆のつるがからまるようにまとわりつくあなたを残していくのだなあ 天羽郡の上丁上部鳥 4352)

引用した歌には、どちらもバラが読み込まれています。とりわけ、後のほうの歌にははっきりと「イバラ」と読まれ、一般にこれがバラの語源とされています。

参考文献

薔薇が出てくる読み物を紹介します。

『海薔薇』小手鞠るい/著 講談社

きっかけは、備前焼の皿「薔薇の緋襷(ひだすき)」との強烈な出会いだった。緋襷(ひだすき)のシリーズはみな、大中小さまざまな形の薔薇が咲き誇っていた逸品だ。波奈子(はなこ)がこの陶芸作品に惹かれたこと、それを作った陶芸家の英森徹司が波奈子(はなこ)と同級生だったこと、徹司と偶然ギャラリーで出会えたこと、すべてが彼と一緒になるのに欠けてはならないものだった。波奈子(はなこ)は、ニューヨークにいる夫に隠して、徹司と一年に一度だけの逢瀬を重ね、やがて彼の魅力に抗うことができなくなり、深みにはまっていくのだった…。

『ホワイト・ラブ』より「情熱の薔薇」真野朋子著 幻冬舎文庫

ザ・ブルーハーツの“情熱の薔薇”、SPEEDの“ホワイト・ラブ”、尾崎豊の“I lOVE YOU”などがストーリーで楽しめる。全6編の恋愛短編小説を、ぜひ音楽と一緒にどうぞ。

『すいかの匂い』より「薔薇のアーチ」 江國香織/著 新潮社

ある夏の日、私は一人の少女と海辺で出会った。身体が弱くて、いつも学校でいじめられていて友達もいない私。でも少女には、仲間とドッジや色オニで遊んだり、ピアノ室でピアノを弾いたり、校門には薔薇のアーチをくぐう私を語る。ひと夏を過ぎ行く少女たちの連作短編集。

『目で見るものと心で見るもの』より 「薔薇を愛する心の変遷史」 手塚幸夫/著 草思社

かつてヨーロッパでは、シンプルで可憐なオールド・ローズが、香りを楽しむために長く栽培されていた。その後、時代は変わって19世紀半ば、複雑な交配の結果、豪華で大輪のモダン・ローズが花開く。が、バブルが崩壊といった時代は終わり、再びオールド・ローズへと回帰していく。

花ことば

花言葉のなかで、もっとも意味の多いのはバラで、英仏60種以上の意味があります。

バラ

「美」「愛」「恋」(英)、「無邪気、あどけないこと」「爽やかさ」(仏)

赤バラ

「恋」(英)

濃い赤バラ

「内気な恥ずかしさ」(英)

白バラ

「私はあなたにふさわしい」(英)、「無邪気な美しさ」(仏)

しぼんだ白バラ

「はかない印象」(英)、「無邪気を失うくらいなら死んだ方がいい」(仏)

黄バラ

「あなたに対する友情はだんだん薄らいできた。悲しいことですが、どうにもなりません」

参考文献

バラの花クイズ

問題

  1. バラを国の花としている国が8カ国あります。どの国でしょう?   1カ国だけヒントです。ガーデニングといえば・・・?
  2. 県の花としている県があります。どこでしょうか?   ヒントは、その県名にあります。

答え

  1. イギリス、イラク、イラン、サウジアラビア、ブルガリア、ポルトガル、モロッコ、ルクセンブルグ
  2. 茨城県