バラのまちだより No.36

バラを描いてみませんか

 バラが美しく咲き誇る5月。花を観賞する、香りを嗅ぐ、撮影する…その楽しみ方はたくさんありますが、「バラを描く」というのもその一つです。美しいバラの姿を絵の中に留め、部屋に飾ったり、人に贈ったりする。そんな楽しみ方にも挑戦してみませんか。

『美しいバラを描く』 山田道惠/著 日貿出版社 2012年    読んで描く

 バラをテーマにしたボタニカルアートの入門書です。まずはシンプルなつぼみや一重の花から始まり、幾重にも重なる色濃い花まで、様々なバラの描き方が解説されています。巻末に転写用の原寸線画がついているので、塗り絵のように彩色の練習をすることもできます。

『バラ図譜』 ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテ/画 河出書房新社 2008年   見て描く

 「バラの画家」として知られているフランスの植物画家ルドゥーテ(1759-1840)がナポレオン皇后ジョセフィーヌのマルメゾン庭園で当時栽培されていた169種のバラを精密に描き、まとめた図譜です。ルドゥーテについてはNo.7でも取り上げています。

バラのまちの新しい仲間

 与野図書館の「バラのまちコーナー」に近年新しく加わった仲間(本)たちを紹介します。バラに関する興味がますます湧いてくること間違いなしです。ぜひ、手に取ってみてください。

『薔薇ごよみ365日』 元木はるみ/著 誠文堂新光社 2024年

 数々のバラを育ててきたバラ研究家の著者が綴った1日1テーマ、365日分のバラに関するエッセイが収められています。庭仕事、食、アイテム、歴史・文化…その内容は多岐に渡り、こんなにも多くの楽しみ方がバラにあったのかと気づかせてくれます。

『鉢バラを楽しむ』 後藤みどり/著 池田書店 2024年

 広いお庭がなくてもベランダでも手軽に楽しめる鉢植えのバラ。この本ではそんな鉢バラづくりの基本から、品種の選び方、剪定の仕方、バラを加工して楽しむ方法までが豊富な写真でわかりやすく解説されています。

『バラの世界(講談社学術文庫)』 大場秀章/著 講談社 2023年

 ギリシア・ローマ時代のバラ、バラの植物学、園芸化の歴史、野生のバラ、日本のバラ、バラの現在と未来など、国も時代も超え人々を魅了するバラの文化や変遷がわかりやすく解説されています。中には晩餐会で天井からバラを降らせ 過ぎて客を窒息させたローマ皇帝の逸話も。…。

『ミニチュアローズBOOK』 宮崎由香里/著 グラフィック社 2023年

 本を開くとそこには美しい薔薇の写真が並びます。でもこの本には、本物の薔薇は1輪も出てきません。すべて樹脂粘土でできたミニチュアローズなのです。 本物以上に美しく、繊細なミニチュアローズの作り方が紹介されています。

「バラ」色ってどんな色?

 「バラ色」を広辞苑で調べると、①うすい紅色、淡紅色、②幸福・喜び・希望にみちた状態、と書いてあります。では実際、バラの色にはどんな色があるのでしょうか。バラの花色とその色のバラの品種を、与野公園で見ることができるものの中から紹介します。

パールピンク・淡ピンク(淡紅色)

 品種名:ハンス・ケーネバイン
 淡ピンクのカップ咲きで多花性です。与野公園現地では「薄ピンク」と表示されています。

マーブルピンク

 品種名:コルデスジュビリー
 黄色で咲き出し、外弁からピンクに変わる覆輪の大輪です。与野公園では「黄色地にピンクの覆輪」と表示されています。

ローズピンク・濃ピンク

 品種名:春風
 表弁がローズピンク、裏弁が黄色という複色の花になっています。与野公園では「ローズピンク」と表示されています。

青・紫

 品種名:マダムヴィオレ
 薄紫の剣弁高芯咲き。与野公園では「藤色」と表示されています。

 品種名:カクテル
 赤に中心が黄色の色合いで、世界バラ会議殿堂入り品種になっています。与野公園でも「赤、中心黄」と表示されています。

 品種名:パパメイアン
 ビロード光沢のある黒赤色で、与野公園でも「ビロードのある黒赤」と表示されています。

オレンジ色

 品種名:ソレイユ・ドール
 濃い山吹色で単花から数輪の房になります。与野公園では「アプリコットイエロー」と表示されています。

黄色

 品種名:グラハム・トーマス
 黄色の大輪カップ咲きで、世界バラ会議殿堂入り品種になっています。与野公園では「純黄」と表示されています。

白色

 品種名:アイスバーグ
 純白の花が数輪の大房になります。与野公園でも「純白」と表示されています。

参考資料