中央図書館 さいたまゆかりの児童文学コーナー

 さいたま市は、児童文学の発展に大きな足跡を残した石井桃子氏と瀬田貞二氏のゆかりの地です。
 中央図書館では、さいたまゆかりの児童文学コーナーを設け、両氏を中心としたさいたま市ゆかりの児童文学者の著作や関連資料の収集、展示、紹介を行っています。

さいたまゆかりの児童文学コーナーの場所

 

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石井桃子

1907年(明治40年)に浦和(現さいたま市浦和区)で生まれ育ちました。日本児童文学の礎を築いたひとりで、子どもたちに良い文学、良い文化を届けるため、作家、編集者、翻訳家として幅広く活躍しました。『ノンちゃん雲に乗る』などの創作、「岩波少年文庫」や「岩波の子どもの本」シリーズなどの編集にたずさわり、翻訳された『クマのプーさん』をはじめとして、「うさこちゃん」シリーズや「ピーターラビット」シリーズなど、200冊近くの子どもの本が、今でも読み継がれています。

石井桃子さんが訳した本

『ピーターラビットのおはなし』
ビアトリクス・ポター/さく・え いしい ももこ/やく 福音館書店


 大きなもみの木の下の巣穴に、お母さんと4匹の小さなうさぎがすんでいました。ある朝、お母さんは、マグレガーさんの畑にだけは行ってはいけませんよ、と子どもたちに言っておでかけしました。子どもたちのお父さんは畑に行って、マグレガーさんの奥さんに肉のパイにされてしまったのです。ところが、いたずらっ子のピーターは約束をやぶって畑に行ってしまいます。

「あえるといいね!すてきな本 Vol.2 幼児向け」でも紹介しています。

石井桃子さんが再話した本

『ふしぎなたいこ』
いしいももこ/ぶん しみずこん/え 岩波書店


 げんごろうさんは、叩くと鼻が伸びたり、縮んだりする不思議な太鼓を持っていた。ある時、人間の鼻がどのくらい伸びるのか試したくなり、太鼓を叩いて自分の鼻を伸ばしてみた。三つのお話が入った昔話集。

「あえるといいね!すてきな本 Vol.3 小学校1・2年生向け」でも紹介しています。

石井桃子の資料目録

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瀬田貞二

1951年(昭和26年)に浦和市(現さいたま市南区)へ転居しました。戦後日本の児童文学界を牽引したひとりで、『児童百科事典』(平凡社)の企画、編集長として活躍しました。また、『きょうはなんのひ?』などの創作、『かさじぞう』や『ねずみじょうど』などの昔話の再話、『3びきのやぎのがらがらどん』、『おだんごぱん』をはじめとした外国絵本や、「ナルニア国ものがたり」、『指輪物語』に代表される児童文学の翻訳など、子どもの本の出版に心血を注ぎました。

瀬田貞二さんが創作した本

『きょうはなんのひ?』
瀬田貞二/作 林明子/絵 福音館書店


 お母さんは、まみこの書いた手紙「ケーキのはこをごらんなさい」を始まりに、部屋に隠された手紙を順々に探す。見つけた手紙をそろえると、まみこから両親へのメッセージが現れた。温かい家族の特別な一日。

「あえるといいね!すてきな本 Vol.3 小学校1・2年生向け」でも紹介しています。

瀬田貞二さんが訳した本

『ライオンと魔女』
C.S.ルイス/作 瀬田貞二/訳 岩波書店


 ペベンジー家の四人兄妹は、疎開先の家の衣装ダンスから別世界へと引きこまれた。そこは、白い魔女の支配によって終わりのない冬が続いているナルニア国だった。兄妹とライオンのアスランは、平和を望むナルニア国の生き物たちとともに魔女をたおそうとするが、思わぬ裏切り者により魔女に知られてしまう。

「あえるといいね!すてきな本 Vol.5 小学校5・6年生向け」でも紹介しています。

瀬田貞二の資料目録

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斎藤惇夫

さいたま市在住。長年にわたり福音館書店編集部に勤務し、児童書籍の編集に携わりました。1970年の処女作『グリックの冒険』で、翌年に日本児童文学者協会新人賞を受賞、 1983年には、『ガンバとカワウソの冒険』で野間児童文芸賞を受賞しました。講演活動により、子どもたちに本を読んであげることの大切さ、優れた物語を選ぶことの大切さを伝えています。

斎藤惇夫さんが創作した本

『冒険者たち-ガンバと十五ひきの仲間-』
斎藤惇夫/作 藪内正幸/画 岩波書店


 海が見たくて港にやってきたガンバ。船乗りネズミの集まりに参加すると、そこに傷だらけの島ネズミ忠太がやってきた。おそろしいイタチのノロイから、仲間を助けてほしいというのだ。力じまんのヨイショ、物知りのガクシャなど、個性的な15匹の仲間とともに船に乗りこみ、ガンバは夢ヶ島へ向かう。

「あえるといいね!すてきな本 Vol.5 小学校5・6年生向け」でも紹介しています。

斎藤惇夫の資料目録

おかべりか

さいたま市出身。児童書・絵本・育児誌などを中心に漫画や挿絵、翻訳などを手がけました。子どもの視点を中心にした、鋭い観察眼と人物描写に基づくユーモラスな作風が特色。北澤楽天顕彰会理事、さいたま市民漫画展(のち北澤楽天漫画大賞)審査員、さいたま市文化財等選考委員を務めました。

おかべりかさんが創作した本

『おばけやさん 1』
おかべりか/作 偕成社


 おばけやさんは、おばけをかしだすお店です。おばけやさんのあるじは、小学生の男の子、たもつ。親がわりのウサギ、ポンポーソ・ミステリオーソとくらしています。おばけは、たもつのする「あること」がだいすき。そのために、おるすばんやおつかい、にわの草むしりなどのしごとをがんばるのです。こんやのしごとは、宝石店のおるすばん。そこへ、おばけがいるとはしらないどろぼうがやってきます。

「本は王さま2012」でも紹介しています。

おかべりかさんが挿絵を手がけた本

『ムジナ探偵局 [1] 名探偵登場!』
富安陽子/作 おかべりか/画 童心社


 ムジナ探偵はへんてこ横丁の古本屋にすんでいます。探偵がしらべるのは、ふしぎなものばかり。ゆめに見たという白い箱をさがしたり、アブのあんごうを見ぬいたり、三つのじけんに、探偵と源太少年がいどみます。

「あえるといいね!すてきな本 Vol.4 小学校3・4年生向け」でも紹介しています。

おかべりかの資料目録

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さいたま市立中央図書館
資料サービス課児童サービス係
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